こんな方法もあった!離婚後も生活費を請求する方法

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離婚後も生活費を請求する方法

夫と妻が別居していたとしても、離婚していなければ婚姻費用という名目で配偶者に生活費を請求することができます。

しかし、婚姻費用は離婚した時点で請求することができなるため、離婚後、収入のあてのない人にとっては、婚姻費用以外の援助についてあらかじめ考えておく必要があります。

離婚した後の生活費の援助については、離婚時の取り決めにより、離婚後扶養という名目で配偶者から生活費を支援してもらうことも可能です。

今回は、離婚後も配偶者に生活費を請求する方法について、考えてみたいと思います。

離婚により生活が苦しくなることが予想される場合には

離婚の際には、養育費をはじめ、慰謝料、財産分与などたくさんのお金を手にすることができます。

しかし、たくさんのお金を手にすることができたとしても、経済的に豊かになれるとは限りません。

なぜならば、離婚により経済的支柱を失えば、将来の収入を確保することが容易ではないからです。

特に、高齢で離婚した場合には就職すること自体が非常に困難であり、子供を育てている状態で離婚をした場合には正社員としてフルタイムで働くことができないケースも多いといえます。

つまり、離婚により一時的なお金を手にすることができたとしても、安定した収入源を確保することができなければ、将来厳しい生活を強いられる可能性が非常に高いということです。

離婚した後、安定した生活を過ごすため、新しい就職先を見つけたり子供を安心して預けられる場所を確保したりするためにはある程度の時間が必要です。

また、将来ずっと働くことができる仕事を見つけるためには、職業訓練や研修などに参加し、無収入であることを覚悟しなければならない時期もあるでしょう。

このため、離婚により生活が苦しくなることが予想される場合には、離婚後、生活の経済的基盤が整うまでの期間を対象に、離婚後扶養という名目で配偶者から生活費を援助してもらう取り決めをすることができます。

ただし、離婚後扶養は結婚していた際に支払われていた婚姻費用とは異なり、法律的な規定や保障は一切ありません。

つまり、離婚後扶養は夫婦による話し合いにより取り決められることを原則としているということです。

このため、離婚後扶養を調停や裁判などで争う場合には、財産分与や慰謝料の名目として扱われるケースもあります。

また、基本的に離婚後扶養を受けることができるのは、現在の収入だけでは生活できない、病気で働くことができない、子供がいたり、高齢のため就職先が見つからないなど、限られた事情がある場合のみに限定されています。

離婚後も生活費を支援してもらえる期間と金額

離婚後も生活費を支援してもらえる期間には、制限があります。

なぜならば、離婚後も生活費を援助してもらう離婚後扶養の目的は、離婚後生活基盤が整うまでの一時的な生活費の援助だからです。

一般的な支援期間は1年から3年程度というケースが多く、長くても5年程度です。

就職先を見つけることが困難な場合には、支援期間が長くなるのは当然ですが、一般的には、就職先うんぬんというよりは、生活のめどがついた時点までの支援と考えられています。

また、離婚後扶養を支払う側の経済的事情の変化により、取り決めを行った支援期間や金額が変化する可能性もあります。

たとえば、リストラにより職を失ったり、病気やケガにより生活費の援助を行うことが困難になるケースもあるでしょう。

このため、離婚後扶養は一時的な援助と割り切り、過剰な期待をしない心構えも必要でしょう。

そして、支援してもらえる生活費の金額も、支援期間と同様に明確な基準はありません。

このため、婚姻費用を目安に夫婦で話し合いを行い支援の金額を決めるのが現実的だといえるでしょう。

なお、離婚後扶養の支払い方法については、毎月受け取る方法と一時金として一括で受け取る方法があります。

支払う側の経済的事情の変化を考慮した場合、事前にトラブルを回避するためにも、離婚後扶養は一時金として一括で受け取る方がよいでしょう。

財産分与により生活費を支援してもらう方法

離婚後扶養は一時金として一括で受け取る場合には、財産分与や慰謝料の名目で受け取るケースも増えています。

なぜならば、離婚後扶養には法律に規定はありませんが、財産分与や慰謝料は法律による規定があるため、調停や裁判による取り決めにおいては、離婚後扶養よりも財産分与や慰謝料の名目の方が何かと都合がいいからです。

離婚後扶養を財産分与により行う場合には、財産的扶養分与が適用されます。

財産的扶養分与とは、通常は公平に分配される財産分与に扶養的な加算が認められる仕組みです。

また、財産的扶養分与には慰謝料としても意味合いが含まれているケースもあります。

つまり、離婚原因の責任なども考慮し、財産的扶養分与の金額や支払い方法を決めている判例もあるということです。

扶養的財産分与が認められる条件としては、現在の収入だけでは生活できない、病気で働くことができない、子供がいたり、高齢のため就職先が見つからないなどが挙げられ、子供の養育費とはまったく別のものとして取り扱われます。

そして、住宅ローンが残っているため夫婦の共有財産が著しく少ない場合など、財産的扶養分与の対象となる財産が複ない名合には、生活費を支援する側の固有財産も扶養的財産分与の対象とすることができます。

つまり、生活費を支援する側に経済力があれば、夫婦の共有財産が少なくても一時金として生活費を受けとることができる可能性が高まるのです。

ただし、扶養的財産分与には請求期限があります。

法律上扶養的財産分与の請求は、離婚後2年を経過するとできなくなるため、注意しましょう。

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